ちょっと前の朝日新聞の書評を読んで買ったマンガ。

「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」 著:渋谷直角
<あらすじ>
主人公、カーミィはバンドのボーカルで、プロを目指しながら
普段はテレフォンオペレーターの仕事をしている。
ずっと芽が出ず30歳を軽く過ぎてしまったが、「有名になる為には手段は問わない」彼女は、
体を張った枕営業(←変態プレイ付き)でインディーレーベルからリリースされる
J-POPボサノヴァカバーアルバムのCDデビューにこぎつける。
(でも歌うのはその中の1曲だけ)
それをきっかけに彼女の夢は、単なる歌手には留まらず、CDデビューのあとはユニクロのCM曲を歌って、
中田ヤスタカと小西康陽にプロデュースしてもらって、アパレルブランドも立ち上げて、
TVブロスで連載を持ち、最終的には「カーミィという職業?みたいな?」に膨れ上がる・・・
本の帯に
「自意識の不良債権を背負ったすべての男女に贈る」
「サブカルクソ野郎狂想曲!!」
って書いてあるんですが、私のような人間にはコレはめちゃめちゃ突き刺ささる・・・
大体、美大に進学した、って時点で世の中のメインストリームを外れるどころか
「マイノリティ認定」だし、実際、そんな人たちばっかでしたよ、美大なんてところは。
武蔵美、多摩美あたり出てたって、20年後もアート、デザイン系の仕事続けられてる
人たちなんて半分以下じゃないかと思われます。
本の中でカーミィの服飾系専門学校時代の同級生達と互いの夢を熱く語り合う場面があるんですが、
(因に同級生の職業はライターと小劇団の脚本家)
「同級生で、今も仲の良いオレたちが、みんな売れたらいいよな!」
(でもこれ言ってる時点でみんな今年35歳。)
痛い、痛すぎる・・・
作者あとがきにも書いてありますが
「笑うあなたにブーメラン。描いてる僕にもブーメラン〜」
ハイ、独立後、一応今は会社員時代より収入はUPした私にも
見事にブーメランは突き刺さりました。
笑えない・・・
その他の収録作品も
「ダウンタウン以外の芸人を基本認めていないお笑いマニアの楽園」
「空の写真とバンプオブチキンの歌詞ばかりアップするブロガーの恋」
「口の上手い売れっ子ライター/編集者に仕事も女もぜんぶ持ってかれる漫画(MASH UP)」
タイトル通りサブカルをこじらせちゃった人たちのお話です。
この本読んで、(先の事はわからないが少なくとも今は)
私は社会の中で必要とされること、
私のする仕事に対してお金を払ってもいいと思ってくれる人がいることが
何より幸せだと思いました。
だって自分も一歩間違えてたら「カーミィ」にならない可能性ゼロ、とは言い切れない、
・・・と思いつつ、「カーミィ」には距離を感じる自分もいます。
この本、近所のオサレCAFEで買って、そのCAFEでパフェ食べながら読んだんですが
読んでる間、J-POPの女性ボーカルのボサノヴァカバーがBGMで流れてました・・・
怖い・・・
スポンサーサイト
コメントの投稿